2015年09月30日

カタログの歌


モーツァルトの作品に「ドン・ジョヴァンニ」というオペラがあります。

スペイン語なら「ドンファン」。スペインの伝説上のプレイボーイの名です。

このバラの名も、ドンファン。

ベルベットのスーツに包んだ
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しなやかマッチョな体。
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あくまでやわらかな物腰で、
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「そこのお嬢さ〜ん」。
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・・・と、こんなふうにドン・ジョヴァンニはヨーロッパを股にかけ、手当たり次第に女性を誘惑していきます。誘惑の結果は従者が記録して、カタログ化しているという念の入れよう。

オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の有名アリア「カタログの歌」は、まったくもってふざけた名曲です。くどき落とした女性の特徴や人数を国別に読み上げていく歌。歌のラストは、

「スペインでは・・・1000と3人でございます」


オペラの終局でドン・ジョヴァンニは地獄へ引きずり込まれ、業火に焼かれます。その場面の音楽の、手に汗握る壮絶な美しさといったら。

で。最後は、ドン・ジョヴァンニにさんざん振り回された登場人物が勢揃い。「悪者は滅んだ、ばんざーい」という、毒のない重唱で幕が下ります。


本当か? そんなんで、いいのか?


オペラには、結婚式の最中にドン・ジョヴァンニに誘惑されて、ついその気になりかけた花嫁だって登場します。ドン・ジョヴァンニを追いかけ回す、執念深い女性も登場します。

このオペラが世に出たのは18世紀末でした。ラストのまとめがなかったら聴衆は怒ったかもしれません。なんて非道徳的なオペラなんだと。

なので個人的に、最後の重唱は仕方なく加えたのではないかと思ったりして。

『モーツァルトの手紙』(上・下/岩波文庫)に、確かこんな言葉がありました。「・・・怒りや悲しみも、音楽にするならすべて美しくなければいけません」。文章はたぶん正確ではありません、ごめんなさい。

モーツァルトにかかれば、悪さえ美しくなる。

ドン・ジョヴァンニ終焉の音楽の凄み深みはあまりにも神々しく、また人間くさく。

モーツァルトは、人間を愛した人だったんだなと思うのです。どうしたって女遊びをやめられないドン・ジョヴァンニ、亡霊から「改心しろ!」と何度言われても恐怖の中で「いやだ!」と強がるドン・ジョヴァンニ。

彼の女好きは、ここまで来ると依存症とも呼べるレベルです。適切な治療を受けられなかったがゆえの、一人の男の悲劇とも言えるのではないか。

この哀れな男を、脳天が溶けそうな音楽で葬ってあげるのがモーツァルトの優しさなのでしょう。

やっぱりモーツァルトの最強オペラは、「ドン・ジョヴァンニ」だと思うのであります!


・・・と、バラ一輪で妄想ワールドを旅しました。


私の目を見つめればもう逃げられない。とでも言いたげな、ベランダのドンファンでございます。
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そしてまた一人、カタログに記される女が・・・。
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タグ:ドンファン

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posted by meryem at 08:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | バラ

2015年09月29日

緑光と月光


つるバラ「緑光」が、次々に咲いています。
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一気につぼみがたくさんついたためか、秋の一番花よりは小さめだけど、
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シックなドンファンを従えて、薄くライムグリーンがかってゆく姿が見飽きません。
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混じりけのない純白は、気高すぎてこちらが気後れしそう。

薄く絵の具を溶かした白は、いつでも手の届く親しみやすさがあります。
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昨夜はスーパームーンでしたね。

関西は雲が多く、大阪の夜空では見られないまま寝てしまいましたが、

夫が京都のスーパームーンを撮って、送ってくれました。

東山の稜線を明らかにしながら昇る、白いスーパームーン。
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木々をわたる風さえ、見えてきそうです。
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スーパームーンのせいなのか、昨夜はどうも気持ちが高ぶって困りました。

寝たきりの母が気弱なことを言うのを聞いて、涙が止まらず。

満月の夜は心がざわついて、体の内から何かがあふれてきませんか。

あふれて、そして新月へと向かっておさまってゆく。



あふれ来るものが涙にしても笑顔にしても、

月の力を借りたにしても、

まだ何かあふれるものが内にあることに、少し安堵した夜でもありました。
タグ:緑光

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posted by meryem at 11:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | バラ

2015年09月28日

中秋の名月とアズーロコンパクト


あまりに明るい月夜だったので、つい夜更かししてしまいました。

月が西へ傾いてきた深夜、外を見やると「もう明け方?」と思ったほど。

こうこうと雲を照らす月に、西ベランダでしばし見とれました。こんなに明るい月明かりだったなら、ヘンゼルとグレーテルは目印なしで家にたどり着けただろうなとか。

夫撮影の中秋の名月。下半分は、なぜかメロンに見えます…。
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さて西ベランダの南角には、アズーロコンパクトのプランターを掛けています。

南の日射しも当たれば西日も受け続ける、考えてみれば過酷なポジション。

真夏は悲壮感漂っていました。
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切り戻してソフトシリカを少し土に混ぜ、液肥を与えて様子を見ていたら、

息を吹き返してくれました。
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風向きによっては、ときどきアスパラガス・スマイラックスに顔をなでられたりして。
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小さな蝶のように群れ舞う花。
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秋の日射しを受けて
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また晩秋まで頑張るか・・・と言っているようです。
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1時間前の午前5時頃、西山に沈もうとする月はオレンジ色でした。

今夜のスーパームーンは、実家で眺めます^^

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posted by meryem at 06:08 | Comment(4) | TrackBack(0) | ベランダガーデニング